ひさしぶり
しばらく開店休業だったこのブログを,春の訪れとともに復活させようかと思う。 しばらく仕事に専念してみて,やはりここで設定したテーマは,これでいいんじゃないかな という確信めいたものを感じた。つまり
1.徹底的に木にコダワル 2.最適のまどりを紡ぎ出す 3.住んでる人を綺麗にする家 4.平和に役立つ家作り
というテーマである。
技術的にはいろいろ考えることもあるけれども,住む人にとっては技術は手段にすぎない。問題は,その技術によって何が実現されるのか ということだ。
昨日,いい家塾のスタッフ会議があった。そのなかで,木の産地にこだわる必要があるのだろうか,という話が出た。
いい家塾のスタッフは,みな自然素材にこだわったり,それこそ「いい家」を人並み以上に考えている人たちだ。そういう集まりでも,やはりこうした疑問が出る。 同じ国産材で,一般に流通している材を使えば,明らかに安く上がる,ということだ。
たしかに,私自身,木材の産直にかかわってみて,産直なのに安くならない,という現象にはビックリした。 産直のセールスポイントに「中間マージンがない」ということを謳っているのに・・・。
そこで,苗木を植えるところから,育林,伐採,搬出,製材・・・と,全工程を原価計算してみたことがある。 林業に詳しい友人の協力で計算してみたところ,やはりそれなりの価格にはなるのである。
しかも,中間マージンがない代わりに,高価な高速料金や橋の料金を取られる。驚くなかれ,船でアメリカから大阪まで運ぶよりも,トラックで高知から大阪まで運ぶ方が高く付くのだ。 (柱一本あたりで計算すると)
では,安い国産材がどうして出回っているかというと,商社がまとめ買いをするからだ。 そうやって安く売った山は,再生のための費用がじり貧となっていく。 先の原価計算の例で言えば,植林,育林をすっとばして,伐採,搬出・・・という,今すぐにかかる金額だけを回収しているのである。
もちろん,山側が競争力を付けるための努力を怠っている面も,大アリだ。
スギとヒノキばかりを,日本中に植えてしまった林業家は,ある意味,先物取引に失敗したのだから,その後始末をどうするか真剣に考えなくてはならないのだが,輸入材がどうしたとか,住宅メーカーがどうしたとか言って,自分の責任を棚に上げている。
それはそうなのだが,その中でも,何とかしようと頑張っている人たちもいる。 そういうところと,何とか協力したいと思うのである。 だから,私は実際に人に会って,山に行って,使う材を決めたいと思っている。
住み手にも,こうした観点を持ってもらいたいし,そうしてできた家には,格別の愛着が湧いてくることは間違いない。
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